タスマニアで浮世絵をえがく。

tas2-640x4312012.11.7

10月末から、11月9日くらいまで
(まっしゅの)夫が友人と日本食店を出したいとかなんとかで、
オーストラリアはタスマニア州のホバートに行ってきました。

タスマニアの人は「どんだけだ!」と声を上げたくなるくらい、
優しい人たちだらけでした。すきすきだいすき。
あとトイレがどこも綺麗。マナーもいいし。
田舎っていいな。人間が美しいな。

タスマニアの方々は健康志向らしく、日本食、
とくにSUSHI(といっても巻き寿司が中心)がただいま大流行。
日本食レストランは街でもしょっちゅう、
それこそコンビニくらい頻繁に多く見かけましたが、
ほとんどが中国人、韓国人の方々で営まれてました。

そんなタスマニアに
今年の末にオープンするという寿司&おにぎり屋
「雅―MIYABI―」さん。
従業員は日本人!作るのも日本人!
っていうのはタスマニアでは非常に珍しいらしいです。

20121129_12_920x520

その内装工事を見学したところ
あんまりおもしろくなかったので、
天才なまっしゅはグイグイ口を出しました。

「キッチンとフロアの間の壁に、円窓をあけましょうぜ?」

源光庵の悟りの窓よろしくマンマルの窓を、提案しました。
縁は白と赤で塗ってもらう。
日本の国旗を意識した色指定です。

画像:高画質壁紙写真集無料壁紙さんより

壁が煉瓦でできているので技術面が心配でしたが、棟梁に伺ってもらったところ、

「なんでもできるよ」

と即答。チョウカコイイ。
タスマニアの職人さんはとてもまじめで、ユーモアがあって、フレンドリーでした。

20121129_01_920x1226

タスマニアの建築に対しての法律はとても厳しかったのですが、
臨機応変に対応してくれました。

壁紙の色も決めていなかったようなので、
どうせなら何か描きたいと思いました。
ちょうどそこで、現地でお世話になった親日家、
タスマニア人のアラン君(右)の趣味が発覚しました。

20121129_13_920x1181

なんとアランは浮世絵が好きだったのでした。
しかも、自分も大好きな「月岡芳年」氏の作品が好きだと。
さらに、ぜひ芳年氏の絵で刺青を掘りたいと。
日本にいい堀り師はいないかと。

なんともディープな浮世絵愛好家!

さっそく彼の蔵書を借りて(日本で買ったらしい)絵柄を選びました。
アランは僧侶が好きだそうですが、
ワカゾウのテーマは粋。
伊達男(すぎて捕まったほど)な侍の深見自休氏を選びました。

アランはペンキ屋さんということで、
色指定をしてペンキを揃えてもらいました。
それからゴールドコーストへ行くまで丸二日間で書き上げたのがこちら。

20121129_07_920x690

さらにアップは

20121129_06_920x690

先に色を塗り、主線はサインペンで描きました。
メイキングはこちら

日本人の自分が、魂のこもった浮世絵を、魂を込めて描きました。
少しでもタスマニアの人が日本の文化に興味を持ったり
寿司は巻きずしだけじゃないってことを知ってくれたりしたら
嬉しいなと願いを込めました。

タスマニアにご旅行の際は、ぜひ一度MIYABIさんへお立ち寄りください。

今回浮世絵を模写させていただいて、改めてその美しさに傾倒しました。
帰国後は横浜美術館で開催されていた
「はじまりは国芳」

太田記念美術館で開催されていた
「没後120年記念 月岡芳年」 に行き、
その筆の細かさと大胆さと粋な色彩にどっぷり浸かりました。

本当にいい経験ができてよかったです。
MIYABIさんありがとうございました。